
Q
整腸剤を別のものに切り替える際の力価換算があれば教えてください。
A
整腸剤には、オピオイドのような等価換算表は存在しません。
理由の一つは、含有菌種と菌数(力価)が製剤ごとに異なるためです。ミヤBM錠・細粒は酪酸菌(宮入菌)単剤、ラックビー微粒N・錠はビフィズス菌単剤、ビオフェルミンR散は耐性乳酸菌というように菌種自体が異なり、菌数の単位もCFU(Colony Forming Unit:コロニー形成単位)換算で統一公開されていないため、mg対mgやCFU対CFUでの機械的換算は成立しません。
さらに、製剤間の直接比較試験は行われておらず、使い分けの臨床的優劣を示すエビデンスも確立されていません。使い分けとしても定着部位(小腸/大腸)といった菌種特性、剤形(錠・細粒・散)の嚥下適性、抗菌薬併用の有無などを踏まえた経験的な選択にとどまっています。
したがって、製剤変更時は換算ではなく、切替先製剤の添付文書に記載された用法・用量から開始し、適応(抗菌薬関連かどうか)を確認のうえで症状に応じて調整するのが基本的な対応と考えられます。
なお代表的な整腸剤の比較や同一製剤内での錠⇔細粒・散の換算について気になる方は下記をご参照ください。
代表的な整腸剤の比較(もう少し詳しく)
| 製品名 | 菌種 | 通常成人用量 | 効能・効果 |
|---|---|---|---|
| ミヤBM錠・細粒 | 酪酸菌(宮入菌) | 錠1日3〜6錠/細粒1日1.5〜3gを3回分割 | 腸内菌叢の異常による諸症状の改善 |
| ラックビー微粒N・錠 | ビフィズス菌 | 1日3〜6gを3回分割 | 腸内菌叢の異常による諸症状の改善 |
| ビオフェルミンR散 | 耐性乳酸菌 | 1日3gを3回分割 | 抗生物質・化学療法剤投与時の腸内菌叢異常の改善 |
※用量は年齢・症状により適宜増減されます。各社添付文書の最新版を必ずご確認ください。
剤形内換算(同一製剤の錠⇔細粒・散)のまとめ
ここでの換算は、あくまで「同一製剤内」で有効成分の含有量が公表されている場合の参考値です。異なる製品間(例:ミヤBM⇔ラックビー)には適用できません。
| 製品名 | 剤形ごとの含有量 | 換算の目安 | 用量換算の一致例 |
|---|---|---|---|
| ミヤBM | 細粒:1g中に宮入菌末40mg/錠:1錠中に20mg | 細粒1g ≒ 錠2錠 | 細粒1.5〜3g ⇔ 錠3〜6錠(いずれも60〜120mg相当) |
| ラックビー | 微粒N:1g中にビフィズス菌10mg/錠:1錠中に10mg | 微粒N1g ≒ 錠1錠 | 微粒N3〜6g ⇔ 錠3〜6錠(いずれも30〜60mg相当) |
| ビオフェルミンR | 散:1g中に耐性乳酸菌6mg/錠:1錠中に6mg | 散1g ≒ 錠1錠 | 散3g ⇔ 錠3錠(いずれも18mg相当) |
| ビオスリー | 配合散:1g中にラクトミン10mg・酪酸菌50mg・糖化菌50mg/配合錠・配合OD錠:1錠中にラクトミン2mg・酪酸菌10mg・糖化菌10mg(含有量だけで比較すると散1g≒錠5錠相当) | 散1g ≒ 錠2錠 ※含有量比ではなく生菌数ベースの換算 |
散1.5〜3g ⇔ 錠3〜6錠(添付文書の用量幅に対応) |
ビオスリーは、配合散1gと配合錠(配合OD錠)2錠がほぼ等しい生菌数になるよう調製されており、この換算比は成分の含有量〔mg〕の比(1g:5錠相当)とは一致しません。同じ「同一製剤内での換算」でも、単純な含有量の比例計算だけでは実際の生菌数と食い違うことがある一例です。
各製剤の組成・用法用量に基づく参考値であり、添付文書に「換算式」として明記されているものではありません。切替時は必ず切替先剤形の用法・用量の範囲内であることを確認してください。
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特になし
参考文献
- ミヤリサン製薬株式会社.ミヤBM錠・細粒 添付文書.2022年11月改訂(第1版).
- 興和株式会社.ラックビー微粒N/ラックビー錠 添付文書.2022年6月改訂(第1版).
- ビオフェルミン製薬株式会社.ビオフェルミンR散 添付文書.2024年9月改訂(第17版).
- 東亜薬品工業株式会社.ビオスリー配合散/ビオスリー配合錠/ビオスリー配合OD錠 添付文書.2022年4月改訂.

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