
啓明店の木村です。
2026年5月29日〜5月31日の3日間、和歌山城ホール、和歌山県立医科大学薬学部、ダイワロイネットホテル和歌山で開催された「第19回日本緩和医療薬学会年会」に参加してきました。
今回の年会は「地域から羽ばたく緩和医療薬学」をテーマに開催されました。「病気を治す医療」に加え、「患者を支える医療」が必要とされる中、地域医療を支える病院、薬局、様々な医療職種との連携の重要性を考える内容でした。
新千歳空港から関西国際空港まで飛行機で移動し、そこからJRに乗り継いで和歌山市駅へ。午前中に自宅を出発し、到着したのは18時頃でした。
和歌山県を訪れるのは初めてでしたが、気温は高いものの湿度は低く、非常に過ごしやすい気候でした。それほど高いビルやマンションはなく、金曜日の夕方でも繁華街に人はまばら。駅から宿へ歩いている途中、視界が開けるとお城(和歌山城)が目に飛び込んできました。きれいに整備された大きな道路を挟んで、向かい側にお城が見えるという、現代と歴史とのコントラストが非常に新鮮な景色でした。

調べてみると、和歌山城は1585年に豊臣秀吉が紀州を平定した際、弟の秀長に命じて築城されたそうです。その後、1619年に徳川家康の10男・徳川頼宣が入城。以降、江戸幕府を支える重要拠点となり、のちに8代将軍となる徳川吉宗もここから誕生しています。現在は空襲での焼失を乗り越え、美しく復元された和歌山市のシンボルとなっています。 私は歴史に全く詳しくないのですが、少し調べてから改めて和歌山城を眺めると、なんだか歴史の重みを感じたような気がします……。
学会は3会場でプログラムが進行し、その中から私は在宅医療や地域医療、多職種連携をテーマとしたシンポジウムを中心に参加しました。 在宅医療に関わる薬剤師として必要な能力、そして在宅医療に関わる薬剤師の育成、在宅医療のチーム連携、情報共有の重要性などについて学びました。その中で、特に印象的だった言葉が2つあります。
1つ目:「最適解よりも納得解を導ける力を」 特に終末期の在宅患者さんのご自宅に訪問する際、服用している薬の副作用の説明や、医療用麻薬の必要性・危険性を丁寧に説明することは、薬剤師として正しい姿であると思います。しかし、自宅で最期を迎えると決めた患者さんとご家族が、私たち薬剤師に求めているのは、詳しい説明だけではないのかもしれません。
2つ目:「Not doing, but being」 「何かをしてあげること(行動)ではなく、ただそばにいて寄り添うこと(存在)」という意味です。近代ホスピスの母と呼ばれるシシリー・ソンダースが残した言葉だそうです。
メトロ薬局の薬剤師として患者さんのご自宅に訪問するとき、患者さんとご家族にとって、私たちが訪問する意味とは何なのでしょうか。ただ「家に薬が届く」ということではなく、「患者さん・ご家族と共有する時間」そのものに、私たちが訪問する意味や価値があるのではないか、と深く考えさせられました。

和歌山県の名産品といえば、有田みかんや南高梅。日本酒だと札幌でもよく目にする「紀土(KID)」の蔵元があるようです。今回の和歌山滞在では、空き時間に和歌山城に登ったことや、夜にライトアップされたお城を眺めたくらいしか観光はできませんでしたが、3日間を通して大変有意義な時間を過ごすことができました。
来年は福井県で年会が開催される予定です。今回の学びを日々の業務に活かしつつ、来年もぜひ参加して学びを深めたいと考えています。

