薬局風景

コラムColumn

立ち上がる時に腰痛が出る高齢の方に、ジクトルテープ、カロナール錠500mgを朝夕、ケトプロフェンテープが処方されました。主治医からは作用機序が違うので併用可能との説明を受けましたが、問題ないのでしょうか?

ケアマネジャーさんからの質問

以下は、それぞれの薬の特徴や併用時の一般的な注意点についての情報提供です。実際にこの患者さんで3剤を併用することが適切かどうかは、痛みの原因や程度、腎機能、既往歴、併用薬などによっても異なるため、当フォームでの判断はできません。個別の治療方針については、かかりつけの主治医・薬剤師にご確認ください。


まず、カロナールの成分であるアセトアミノフェンは、ジクトルテープやケトプロフェンテープとは異なるタイプの鎮痛薬です。一方、ジクトルテープの成分であるジクロフェナクとケトプロフェンテープの成分であるケトプロフェンは、どちらもNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)というグループに分類され、痛みや炎症に関係するプロスタグランジンの産生を抑えることで鎮痛・抗炎症作用を示します。そのため作用機序についてはカロナールは別系統の鎮痛薬、ジクトルテープとケトプロフェンテープはNSAIDsと整理するのがより正確です。

ジクトルテープは貼り薬ですが、一般的な湿布薬とは少し異なります。皮膚からジクロフェナクを吸収させ、血液中に薬を移行させることで、全身的な鎮痛効果を得ることを目的とした薬です。胃腸障害や腎機能への影響、むくみなど、内服のNSAIDsと共通する副作用に注意が必要です。一方で、ケトプロフェンテープは主に貼付した部位での効果を期待して使用する湿布薬です。ただし一部は皮膚から吸収されるため、貼り薬であっても全身への影響がまったくないわけではありません。

このため、ジクトルテープとケトプロフェンテープを併用する場合には、これらがどちらもNSAIDsであるということは念頭に置いておく必要があるでしょう。高齢の方では腎機能が低下している場合もあり、さらに脱水などが重なることで、NSAIDsによる腎機能への影響が出やすくなることがあります。

結論としては、今回の3剤の組み合わせは併用自体が必ずしも一律に禁止されているというわけではありません。実際にどの薬をどの程度使用するかは、痛みの状態、腎機能、既往歴、併用薬、使用期間などを総合的にみて判断されますが、もし使用中に「胃が痛い」「黒っぽい便が出る」「食欲が落ちる」「尿量が減る」「むくみが強くなる」「息苦しい」など普段と異なる症状がみられた場合には、かかりつけの主治医または薬剤師へご相談ください。


当フォームでは個別の診断や治療方針についての判断はできませんが、お薬の作用や副作用、飲み合わせについての一般的なご質問には可能な範囲でお答えしています。気になる点がございましたら、お気軽にご相談ください。

関連記事

参考文献

各種添付文書

「メトロ在宅ナビ〜在宅調剤のギモン解決ガイド〜」質問随時受付中!

ふと気になった「お薬のこと」「在宅医療のこと」、聞いてみませんか?

メトロ調剤薬局では、薬や在宅医療に関する疑問・お困りごとに、薬剤師がわかりやすくお答えする取り組みを始めました。
医師・看護師・薬剤師・患者さん・ご家族の方など、どなたでもお気軽にご質問ください。

寄せられたご質問は、ホームページにて順次お答えしていきます。みんなで共有できる「おくすり」や「医療」に関するご質問をお待ちしています。

⚠️ お願い

内容によっては、すべてのご質問に回答できない可能性もあることをご了承ください(特に主治医の判断が必要な「診断・治療方針」に関するご相談などにはお答えできません)

基本的に3営業日以内を目安に回答するようにしますが、担当薬剤師の勤務状況により回答までお時間を要することがあります。お急ぎの場合は各店舗まで直接お電話ください。

上記に関すること以外の当薬局に対するお問い合わせについては、ホームページの上部タブにあるお問合わせフォームをご利用ください。


ご質問はこちらからどうぞ!

「メトロ在宅ナビ〜在宅調剤のギモン解決ガイド〜」質問フォーム

👉 https://forms.gle/ufxS58Gt6irdeZia6