# Metro Medical Information(MMI)4月号

メトロ・メディカル・インフォメーション、ちぢめてMMI。月イチ更新で患者さんや医療機関、施設のスタッフにちょっと役立つ薬の情報をお届けします。
「今年のGWはひさしぶりに家族旅行!でも毎日飲んでいる薬、どうしよう…」そんな声を薬局でよく耳にします。旅行の準備はバッチリでも、薬のことは後回しにしがちです。しかし薬を切らしたり、飲み忘れたりすると、せっかくの旅行が台無しになることも。
今月は、旅行前に知っておきたい「薬の持ち方・管理のコツ」をご紹介します。
まず確認! いつもの薬は旅行分まで足りていますか?

旅行の1~2週間前には、手元の残薬を確認しましょう。「旅行中に切れてしまうかも」と感じたら、早めに医療機関に相談してください。慢性疾患で定期的に処方を受けている場合、事情を話せば旅行分を見越して処方してもらえることがあります。
ただし、向精神薬・麻薬性鎮痛薬など一部の薬は、法律の規定により処方できる日数に上限があります。また、健康保険の都合上、前回の処方からあまり日が経っていない場合に追加処方が難しいこともあります。余裕をもって、出発の1~2週間前には相談しておくのがおすすめです。
飛行機に薬は持ち込める? 預け荷物に入れてはいけない理由

処方薬はすべて機内持ち込みが可能です。液体の薬(シロップ剤・点眼薬など)は、国際線では液体制限(容器1本100mL以内)の対象になることがありますが、医療目的の薬品は除外されるケースがほとんどです。事前に航空会社のルールを確認するか、処方箋や薬の説明書を携帯しておくと安心です。
避けてほしいのが、薬を預け荷物(スーツケース)に入れてしまうことです。もし荷物が遅延・紛失した場合、手元に薬がなくなってしまいますし、貨物室は気温や気圧の変動が大きく、インスリンなど温度管理が必要な薬が変質してしまう可能性もあります。薬は必ず機内持ち込みの荷物に入れておきましょう。
海外へ持ち出す際は、処方箋のコピーや薬の説明書(できれば英語のもの)を準備しておくと、万が一の際に役立ちます。処方薬の英文証明書は、かかりつけ医や薬局に相談すると発行してもらえることがあります。
時差がある旅行先では、何時に飲めばいい?

海外旅行で時差がある場合、服用のタイミングに悩む方は少なくありません。基本的な考え方は次のとおりです。
– 時差が3~4時間以内の場合:現地時間に合わせてもよいことが多いです
– 時差が大きい(5時間以上)の場合:日本時間のまま飲み続けるか、段階的に現地時間に近づけていく方法があります
ただし、これらはあくまで目安です。血糖降下薬・インスリン・抗てんかん薬・抗凝固薬など、血中濃度の管理が重要な薬は、タイミングのずれが体調に大きく影響することがあります。海外旅行が決まったら、出発前に必ず薬剤師または担当医に「時差があるけど、いつ飲めばいいですか?」と確認するのが確実です。
「現地で買えばいい」は本当に大丈夫? 海外での薬の調達

「旅先で薬がなくなっても、現地の薬局で買えばいい」と思っていませんか? しかし、これはかなりリスクの高い考えです。
たとえ同じ有効成分の薬でも、国によって製品名・含有量・剤形が異なります。日本では処方薬として扱われている薬が、海外では市販薬として売られていることもあれば、その逆もあります。また言葉の壁もあり、薬剤師に症状や必要な薬を正確に伝えることは容易ではありません。
特に慢性疾患のある方にとって、旅先で薬を代替品に切り替えることは非常に危険です。旅行中に確実に薬が手元にあるよう、出発前の準備を万全にしておきましょう。
薬をなくさない・飲み忘れない工夫

旅行中はいつもと生活リズムが変わるため、飲み忘れや紛失が起きやすくなります。以下の工夫を参考にしてみてください。
– お薬手帳アプリに薬の情報(薬品名・用量・服用時間)を登録しておく
– 薬の袋やラベルをスマートフォンで写真撮影しておく(紛失時の情報として)
– 薬は何か所かに分けて持っておく(スリや紛失の対策として)
– 旅行用の分包ケースを活用して、朝・昼・夜の分をあらかじめ仕分けておく
– ホテルのチェックアウト時などに薬の取り忘れがないか確認する
お薬手帳には処方された薬の情報が集約されており、旅先の医療機関でも非常に役立ちます。紙の手帳でもアプリでも、必ず携帯するようにしましょう。
まとめ:旅行の準備のひとつに「薬の確認」を
旅行に向けた薬の準備は、出発の1~2週間前が目安です。旅行を思いっきり楽しむために、荷造りと一緒に薬の準備も忘れずに。何かお困りのことがあれば、いつでも気軽にご相談ください。
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Metro Medical Information(MMI)は、メトロ調剤薬局の薬剤師が健康に役立つ情報を毎月お届けするコラムです。

